カレメオンのキューブに関する話

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2×2の中級解法『Super Ortega Method』を考案しました

こんにちは、カレメオンです。

 

先日『Super Ortega Method』というOrtega Methodを発展させた中級解法を考案したので、ここに解法を残しておきます。 

 

 

Super Ortega Methodを覚える前に

Super Ortega Methodを覚える前に、やっておいてほしいことが2つあります。

 

まず、Ortega Methodを使いこなせるようになってください。

名前の通り、この解法はOrtega Methodの進化版です。まずは基礎となるOrtega MethodでSub4ができるくらいのレベルになっておきましょう。

 

もう一つ、『反対色』について理解しておいてください。

反対色とは、その面の反対側の面にある色のことです。世界基準配色の場合、白の対面色は黄、青の対面色は緑、赤の対面色はオレンジ といった感じです。

二つの色を見せられて、それが反対色なのかそうでないのかを瞬時に判断できるようになっておきましょう。

 

この2つができるようになったら次に進んでください。今はできない方も、練習を頑張ってまたここに来てください。待ってます。

 

Super Ortega Methodの解法解説

Super Ortega Methodは

一面(不完全でも可)→OLL→PBL

の順番で揃えます。これはOrtegaと同じです。

そして、Super Ortega Methodの特徴はOLLにあります。

 

Ortegaでこのようなパターンがあったのを覚えていますか?

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これは上段が無交換,もしくは対角交換で、下段が不完全一面のOrtaga PBLです。Ortegaの場合、恐らく多くの人はx2かz2で持ち替えて手順を回していたと思います。しかし一瞬の勝負である2×2において、持ち替えは大きなタイムロスとなります。なるべくこのパターンは避けたいですね。

 

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そしてこれは上段が隣接交換のOrtaga PBLです。これは持ち替え無しで処理できるパターンです。

つまりOLLを回した後に上段が隣接交換であれば、持ち替えをしないでPBLを回せるということです。これを可能にするのがSuper Ortega Methodです。

 Super Ortega MethodではOLLで工夫をして、PBLで意図的に上段に隣接交換一面を作るようにします。

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これによりPBLがこの三つに絞られて、持ち替え無しで解くことができるようになります。そして、上段が隣接交換であることがあらかじめ分かっているのでPBLの判断がより簡単になります。

また、EG1と同様、下段が隣接交換のときは必ずバーをB面に作ります。

 

覚える手順

Super Ortega Methodでは計17個の手順を使います。既にOrtegaで使っている手順もあるので、覚えるべきは7個ほどになります。

暗記は大変ですが、頑張りましょう。

OLL手順に書いてあるに[A]と[B]ついては、次項で解説します。

 

OLL

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Sune

[A]LF'L'FL'U'L

[B]RUR'URU2R'

 

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AntiSune

[A]R'FRF'RUR'

[B]L'U'LU'L'U2L

 

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Pi

[A]RU2R'U'RUR'U2R'FRF'

[B]FRUR'U'RUR'U'F'

 

f:id:Karemeon_Cube:20210515221710p:plain

U

[A]R'U'F2U'RUR'UF2R

[B]FRUR'U'F'

 

f:id:Karemeon_Cube:20210515223033p:plain

L

[A]FRU'R'U'RUR’F'

[B]RU2R2FRF'RU2R'

 

f:id:Karemeon_Cube:20210515223424p:plain

T

[A]RUR'U'R'FRF'

[B]RUR'URU2R2F'RU'R'F2R

 

f:id:Karemeon_Cube:20210515221722p:plain

H

[A]RUR2FRF'RUR'URUR'

[B]R2U2R'U2R2

 

PBL

画像の左面をF面とします

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y R'FRF'RU2R'URU2R'

 

f:id:Karemeon_Cube:20210515231442p:plain

y2 R2U’R2U2F2U’R2

 

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y2 R'UR'F2RF'R

 

A手順とB手順の使い分け

上に書いてあったOLLの手順 [A]と[B]は、U面の色の関係によって使い分けます。この2つを使い分けることで、PBLの際に必ず上段に隣接交換を作れるようになります。

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例えばSuneの場合、丸で囲んだ3箇所の色を確認します。このとき、『3箇所の色が反対色のみ』であればA手順、それ以外ならB手順を使います。

他のOLLも、特定の箇所の色を簡単な基準に当てはめるだけでAかBかの判断ができます。この下にそれぞれのOLLの判断基準を載せておきます。丸の色に意味はありません。

 

Sune,AntiSune

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[A]丸で囲んだ3箇所の色が反対色のみ

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[B]それ以外

 

Pi,U

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[A]丸で囲んだ2箇所のうち、"どちらか"の色が揃っている

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[B]それ以外

丸で囲んだ2箇所が共に揃ってるときは[B]なので要注意‼

 

L

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[A]丸で囲んだ2箇所が同色もしくは反対色

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[B]それ以外

 

T

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[A]丸で囲んだ2つの色が同色or反対色

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[B]それ以外

 

H

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[A]U面が2色のみ

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[B]それ以外

 

 ここに載ってるOLL手順は全てCLLなので、手順を回す前と後で下段の状態は変わりません。例えば、下段が隣接交換なら手順を回した後も下段は隣接交換のままになります。上段には必ずバーができるので、一面を作った時点でPBLのパターンを一つに絞ることができます。

下段が無交換なら

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隣接交換なら

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対角交換なら

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といったところです。これもOrtegaには無い大きな利点です。

 

例外:OLLスキップ

この解法はOLLに工夫がされているので、OLLスキップの場合は持ち替えが必要なPBLが発生する可能性もあります。そのようなときは素直に持ち替えて回すか、追加PBL手順を回しましょう。

追加PBL手順はここに多く載っています。追加PBL手順は玉石混交で、持ち替えて回したほうが速い場合もあります。各自で判断して有効に活用してください。

 Varasano/Ortega — Cyotheking

https://docs.google.com/spreadsheets/u/0/d/1OFXakCV85Mp2zsQBXMxiMX9a506JeAcLnUXZr8FgXAY/htmlview#

 

この解法の長所と短所

この解法には、良い点も悪い(までは行かないけどあまり良くない)点もあります。

 

長所

  • 持ち替えがほぼ無くなる

 

  • Ortegaよりも速くなる,タイムが安定する

持ち替えが無くなったことにより、PBLのパターンにタイムを左右されることが減りました。

 

  • PBL読みが容易になる

上に書いたように、下段の状態でPBLのパターン確定ができるので、OLLを回した後に判断に割く時間が大幅に削減されました。

 

短所

  • 単発の好タイムが出にくい

この解法では上段の完全一面を揃えられる場面でも敢えて正しくない手順を使って上段に隣接交換を作ります。なので、この解法では一面→OLL→PBLの順に解く限り、PBL Skipが起こりません。

タイムは安定しますが、単発での好タイムは狙いにくい解法になっています。

 

  • OLLの判断が難しい

この解法では、OLLを判断するために複数箇所間の色関係を確認する必要があります。難易度はそれほど高くはありませんが、 Ortegaから移行したばかりだと判断に時間がかかるかもしれません。

 

  • OLLにタイムを左右されやすい 

気が付いた方も多いと思いますが、この解法で使うOLLは6手と短いのものもあれば、10手以上かかるものもあります。この2つではタイムに0.5秒ほどの差が生まれます。OrtegaではPBLの運要素が強かったのに対し、この解法ではOLLの運要素が強めになっています。

1つのOLLに対して6つあるパターンを2つの手順で対応するとなると、使える手順が限られてくるのです。上に載せているものに変わるような良い手順があったら、是非教えてください(CLLに限ります)。

 

 

更に速くなるためには

この解法に慣れてきて更に上を目指したいという方に、いくつかの追加テクニックを載せておきます。

できるだけ先読みをする

これが最優先事項です。先読みについて僕からアドバイスできることは「とにかく練習しろ」くらいです。ソルブの数をこなして、15秒間のインスペクションでOLLまで読めるくらいの先読み力をつけてください。慣れればPBLのパターン判別まで簡単に読めるようになります。

 

OLLの例外パターンを覚える

上に書いたように、この解法ではあえて上段に隣接交換を作るのでPBLスキップが起こりません。

しかし、下段が完全一面の場合かつ特定のパターンの場合に限り、本来ならA(B)手順を使うところでB(A)手順を使うことでPBLスキップをすることができます。いわゆるCLLというやつです。A,B手順のそれぞれのCLLを載せておきます。

 

A手順を使うCLL

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B手順を使うCLL

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120手順暗記を頑張る

結局はこれになります。Sub2.5を目指すのであれば、CLLとEG1とEG2の計120手順を覚えましょう。暗記はかなり大変ですが、覚えた後は2×2が格段に楽しくなります。是非、120手順を覚えて一緒に2×2を楽しみましょう‼

 

まとめ

この解法が周りから評価されるかちょっと不安ですが、個人的にはお気に入りの自信作です。

僕も使ってみたところ、AO12でSub2.5ができました。

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『2×2が速くなりたいけど、120手順を覚えるのはキツい』という方には是非試していただきたいです。 きっとOrtegaよりは速くなれるはずです。

改善点等ありましたら、ここでもTwitterでも教えていただけると助かります。

 

これをきっかけに2×2の競技人口が増え、2×2界がより活発になることを願っています。

 

 

今回の記事はここまでです。

下手な文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

ではまた